組織でのメンタリング〜ギリシャ神話での人材育成〜
前回のプロテウスからの続きです。
イマドキの働くって、ギリシャ神話のプロテウスのように「変幻自在」「予言者」の2つのキーワードが必要。
そこで、仕事の上での「他者との関係性」に注目してみましょう。
仕事は、周囲の人間との関係性のネットワークの中で相互に影響を与え合うことで構築されています。
良質な人間関係が組織のチカラの発達を促します。
「大きな声では言えない退職理由の本音ランキング」
退職理由のほとんどが、人間関係である事が判ります。
・上司や経営者と上手く行かない
・同僚・先輩・後輩と上手く行かない
・社長がワンマン
・昇進・評価が低かった
従来の組織主導のキャリアマネジメントではなく、「アイデンティティや適応力」を自分の責任において発達させることを可能にする「機会」や「人的資源」の提供です。
成り行きにまかせればOKじゃないんですね。
そこで、メンタリング。
成熟した他者が未熟な者の発達を支援する、この関係をメンタリング関係とも呼びます。
またまたギリシャ神話ですが、メンタリングの語源は古代ギリシャの叙事詩オデッセイアの登場人物であるメントル。
有名なトロイ戦争の勝者として知られるオデュッセウス王の苦難の道のりを描いた壮大な物語の中で、オデュッセウス王の一人息子、テレマコスは、不法者を退治する勇気もなく、家の財産を守る手立てもわからない状態だったのを、オデュッセウスの旧友メントルがテレマコスに王の息子として家を守るという大目標を再認識させ、「私がそなたにはついているではないか」と勇気付けつつ、テレマコスが父を探す旅に出るための準備を整えてやるのです。メントルに助けられたテレマコスは人間的に大きな成長を治めるというストーリー。
そこから、支援者のことをメンター、受けるものをメンティと呼ぶようになったと言われています。
話しを元に戻しましょう。
では、メンタリング関係を構築すべき、メンターとしてのチカラを発揮するためには「一定期間継続的おこなおう支援」であることを前提に次のとおり。
■挑戦的な課題を与える
■フィードバックを与える
ここまででお気づきの方、コーチングのスキルを使っておこなうコミュニケーションと同じです。
メンタリングの目的は「仕事の基礎知識やスキルの伝授」「心理的なことにも対応することで組織への定借や戦力化を目指す」「組織の伝統や精神を受け継がせる」などメンター自身にも得る成長はあります。
このメンタリングの成否を握る要因は、2つ
■メンターとメンティの組み合わせ
■メンターの支援スキル
支援スキルとして
■スポンサーシップ(認知度やイメージを上げる支援)
■コーチング(ノウハウや知識の習得を促進、目標達成し価値を高めるための戦略提示)
■保護(リスクや機会から守る)
■課題の割当(挑戦的課題割当るとともに、フィードバックなどの支援)
メンターは、メンターとして機能するように、基礎的な傾聴や質問の技法を研修等で習得して支援にあたることが望ましいですし、メンターのスーパーバイジングとしての外部コーチや内部コーチの役割も大きいと考えます。
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